ホタルがいなくなったときのことを考えることはありますか?
今よりも、4~8歳ぐらいのときの方が、ホタルがいなくなったらどうしようと思い、泣けてくるときがありました。「ホタルが大きな病気になって余命何ヶ月とかになったら俺はどうすんねやろ」って。でも10歳を越えて、病気を乗り越えて、ひとつひとつ強くなっていった自分がいる気がします。
まだ若い頃と違って色々と苦労があるんでしょうね。
老犬との暮らし方はお客さんに教わりました。中には僕より思いの強い人がいて、自分のところの犬が亡くなったら後追い自殺するのかなってくらいの方もいました。そこの子が亡くなったときにすぐ電話が掛かってきて「ホタパパ、一番の恐怖から逃れられた」と言っていました。愛犬の死は、自分の犬が家に初めて家に来た時のことを思い出させるそうです。火葬場から骨壷に入れて帰ってきて自分の家の玄関を開けるとき、自分の犬が子犬だったころのことがフラッシュバックするらしいんです。骨壷の重さが子犬が初めて家に来た時の重さとまったく同じ、ぬくもりもまったく同じなんですって。それを出会った老犬の飼い主さんたちに教わったので、これを語り継ぐのがぼくの役目だと感じています。